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プロフィール

Nao Otsuka(お留守番は、菜子ちゃん)

  • Author:Nao Otsuka(お留守番は、菜子ちゃん)
  • 「大塚菜生」の筆名で児童書を出版しています。
    著書:『ぼくのわがまま電池』(岩崎書店:第13回福島正実記念SF童話賞大賞受賞作)、『弓を引く少年』『どんぐり銀行は森の中』(国土社)『東京駅をつくった男』(くもん出版)など、主に小学生向けのノンフィクションや物語、ノベライズ・キャラクター本を書いています。共著に平成うわさの怪談シリーズ(岩崎書店)など。


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夏の終わりの一冊に!

2014.08.13 07:57|ラウンジ
本の紹介が遅れてしまいました。
どの本も、味わい深く、子供たちが夏休みを惜しむこの時期に、じっくりと読んでいただけたらなあと思います。
そろそろ、読書感想文も気になる8月中盤ですね。
わたしはうまく書けるほうではありませんでしたけど……。


じゅんばんこ! じゅんばんこ! フレーベル館
(2014/06)
季巳明代 はせがわかこ

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年長組になったさくらこちゃんは、ある日、お母さんに胸をはって言います。
「わたし ひとりで ねる れんしゅうするよ。」
今まで、お母さんといっしょに寝ていたのに、だいじょうぶでしょうか。
でも、ね、さくらこちゃんには、つよーい味方がいるんですって。それは何でしょう。
この絵本には、子供の自立の芽に、そっと手をさしのべる母親の自立も描かれています。この「そっと」がなかなか難しいんですよね。
小さなお子さんは、今にも絵から飛びだしてきそうなつよーい味方に、きっと心ワクワクです。さくらこちゃんと一緒だったら、夜の冒険も、もう、へっちゃら!? ですね。



たいくつなトラ  福音館書店たいくつなトラ  福音館書店
(2014/06/04)
しまむらゆうこ たるいしまこ

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たいくつなトラは、おもちゃ屋タイガーのショーウィンドーにかざられたぬいぐるみでした。ある日、オレンジ色の毛玉のような子猫があらわれて、トラのもとで修行を始めます。
子猫は、自分がトラのようになれると信じているのですが、トラのほうは、子猫の成長とともに、ぬいぐるみでしかない自分と向き合うことになります。
子猫はトラになれるでしょうか。
トラはたいくつな自分を抜けだせるでしょうか。



ダンゴムシ だんごろう 鈴木出版ダンゴムシ だんごろう 鈴木出版
(2014/05/30)
みおちづる 山村浩二

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「おいら おっかさんのため、おとうとたちのため、たびに出る」

『石のすきま村』で親やきょうだいと暮らしていただんごろうは、ある日決心をして旅立ちます。
どこかにあるという『ダンゴムシ天国』をさがして、だんごろうは行かねばならぬ、ならぬのです。
その先には、たくさんの「イキのいい!」出会いが待っているようです。
短編アニメーションの名手、山村浩二さんの絵は、奥行きがあってすてきです。
5才くらいのお子さんから、ひとり読みもおすすめの楽しい読み物です。



かたばみクラブかたばみクラブ 日本文学館
(2012/08)
かとうけいこ

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かたばみというのは、雑草のひとつです。
ふだんは、ひとまとめにされたり、除草される存在です。
五年生の靖子と六年生の柾(まさ)は、かたばみがつなぐ縁で、かけがえのない時間をともに過ごします。
ふたりには、それぞれ、秘めた環境があったのですが、家族に遠慮し、物分りよく過ごすことを良しとしていました。
かたばみのように地面の下で強くつながりあっている確証さえあれば、大丈夫だったのです。
けれども、柾のある決心からの行動が…、靖子は、靖子を襲った理不尽な事件が、ふたりを一段大人に成長させるのでした。



bokunomonogatarim.jpgぼくと戦争の物語 フレーベル館
(2014/07)
漆原智良 山中桃子

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アメリカのB29が日本の上空を飛び交う太平洋戦争末期、日本の子供たちは、いったいどのような事態に巻き込まれていったのでしょう。
浅草生まれの都会っ子だった四年生の上原心平は、父、母、おばあちゃん、妹の文枝と別れ、ひとり、福島に疎開をさせられます。心平の等身大の心や体験を通じて、読者は身に迫って、時代の空気を感じることができます。
戦争を語るとき、人々はつい過去のこととして話します。でも、この物語の心平少年の心を大きくゆるがす、暴言、暴力、嘘、デマ、洗脳の数々は、今の世にも、脈々と潜みつづけているのではないでしょうか。
そのスイッチはどこかで繋がっていて、「 誰か」の心しだいでふたたびオンにできるように思います。
人々を苦しめるのは、目にみえる爆弾だけではありません。
災いから目を逸らしつづけているうちに、いつのまにか、火の粉を呼んでいることがあるかもしれません。
そのような恐れを、この物語から、あらためて教えてもらいました。




さて、ここからは、アソビのつぶやき。

「世の中には、楽しみにしろ哀しみにしろ、優れた物語がたくさんあるのだから、私なんぞが書きつづけなくても」
という声を、時々ですが耳にします。
わたしも、未熟な部分で、つい「その通りだ」と思いがちです。
でもでもでもですね、一方で、
たとえ小手先でも、「大勢で」「繰り返し」伝えていかなければ、伝わるものも伝わらない、とも思ったりするんです。

まだまだ悟ったり語ったりするにはアマちゃんのわたしが言うのもなんですが、きっと同じように感じてくださっているお仲間もいらっしゃると思います。

好きな人に気持ちを伝えたいとき、声に出さないとひとつも気持ちが伝わらないのと一緒、なんですよネ。

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