



ナンバーから大変歴史のある会とお見受けしました。「ハチマキ」(文 境俊人)は、願掛けの地蔵さまへの「予備用」のハチマキだったはずの一本が、魅力ある展開になります。この「菜穂子」シリーズ、人称統一して続けてみてはいかが。「九里半 」(冬野翔子)は栗(九里)にひっかけた洒落のあるお話で、短いながら読み応えがありました。





なにかがぼくのあとをついてくる、いつもどおりの朝だったのに……どうやらぼくは、透明犬になつかれたらしい。
この透明犬、何の縁で主人公奏太の前に現れたのかなと思ったら、そんなワクワクする秘密があったんですね。第33回福島正実記念SF童話賞の大賞作品。「これぞSF童話!」と子供たちにオススメしたい、瑞々しい物語です。




20年後、ゆず先生が教え子に語る思い、それはあの日あの大地震に、ゆず先生が学んだ大切なことでした。
今も「あの日…」を忘れられないおとなたちがいても、20年と経つと、風化されたり、最初の教室の子供たちのような反応をすることもあるでしょう。けれども、ゆず先生の教室は、過去のもの「だけではない」と強く思います。